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さらに今更ですがATOLS/MIKU 0のジャケットメイキングもしようかと思います。
このアルバムのジャケットも前作同様CGを使わずすべてハンドメイドでの作成されました。
このジャケットのイメージとして液体でロゴを作ると言うイメージがありました。


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ただ、水を使って文字を描くと言ってもなかなかできるものではありません。
そこでATOLSが以前から使ってみたかったというあるものが登場するのです。
下記の動画のようなものです。





この動画に使われているものは撥水スプレーによる効果を示したもので、
あらゆる塗装面を完全防水にしてくれるというミラクルな商品。
これを使って液体を使った表現を試みようとなったのです。


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まずは適当な大きさのガラス板を用意して、
ロゴの形の型紙をガラスに張り付け、撥水スプレーを散布します。
そして効果が出る頃に、型紙をはがし、そこに水を注ぎます。


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見事に水で描かれたロゴマークが完成しました。


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水がロゴに合わせて浮き上がっているようにも見えます。
そして下の模様も透過されて見事な透明感を醸し出しています。


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この技術を使って、様々な表現を試みる事にしたのです。




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河川敷でのテストを経て、ここからはマカロンスタジオでの作業となります。
ここで今回のジャケットで使われたロゴの登場です。


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アクリルの箱の上にガラス板を設置。
照明を照射しながらの撮影になります。


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青い蛍光灯の光を照射。なかなかいい感じです。
しかし、ロゴの水の質感がもっと欲しい所です。


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蛍光灯の当てる位置を色々試しながら、ベストな形を探っていきます。


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照明の数を増やして、水面の感じがもっと効果的に現れる位置を探します。
照明の位置を微妙に変えながらの撮影が続きます。


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紅い光の配置を探ります。




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これは装置を真横から見た所です。
ガラスが二枚設置してあるように見えますが、
実はアクリルの下に鏡面仕上げのシートがひいてあって
その鏡面にアクリルの上のガラスが映っているだけなのです。
光の反射から水の質感と透明感をより高める為の装置なのです。


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真横から見ると、2重にガラス板が設置してあるようにみえて
これはこれで面白い視覚効果です。



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だんだん、効果的なライティングの位置が決まってきました。



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カメラアングルを変え、装置の映り込みに気を使いながら
ほぼ完成のビジュアルに近いものになりました。





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ジャケット撮影と平行して、あらゆる効果を探る為に実験も試みます。
これは蛍光塗料を液体に混ぜ、ブラックライトを照射したものです。
発光した感じがなんとも幻想的です。


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アングルを変えると、下の鏡面の映り込みがより多重的になります。
この効果を利用して立体的な視覚効果を狙ってみました。


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このような感じで、上方からブラックライトを照射して
その映り込みがアクリル下の鏡面に映るのです。


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照明とアングル位置を変えると、また違った印象が得られます。


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今度は鏡面シートの代わりに、ブルーのホログラムシートを使用してみます。
このようにあらゆる効果を期待して、撮影しながら
あらゆる方法論を探っていくのです。


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照明を変え、また違った感じに仕上がりました。


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液体の感じがよく出ていてよい感じです。


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こんな感じでスポイトを使って液体を垂らしていきます。
まるで科学の実験のようです。



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このカットは、今までの逆で、液体の上にロゴのシートを浮かべています。
液体は蛍光塗料でブラックライトを照らすと発光するようにしてあります。


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ロゴシートの質感と光の感じがいい感じです。


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光を下から照射するとより幻想的な感じが増します。
また、この撮影で使われた素材は、ATOLS/MIKU 0の告知動画に使用されました。




創作の過程を告知動画に込めて、より創作の一体感を高めます。
また、動画の中でモーフィングの効果を試す為の実験も行っており、
その効果次第で次のMVの為のイメージソースともなったりするのです。
こういった告知動画にも新たな試みや様々な意図を込めたりするのです。




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さて、ここからは内ジャケットの撮影になります。
今までの効果を踏まえ、色々なパターンで撮影に挑みます。


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今度はロゴに垂らす液体を少なめにして、新たな水の質感を試みます。




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まるでクラゲのような柔らかな質感がでました。


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さらに手を加え、何かアメーバのような不安な質感表現に至りました。



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生物のような不気味な感じです。


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ブラックライトの照射の強さを変えてみました。
鏡面の映り込みもうまく不規則になり、面白い効果が得られています。



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電子空間のようなサイバーチックな感じです。




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次はOです。



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どういうわけか輪郭が綺麗に出ません。
こういったイレギュラーな事態にもその場で対処しなければなりません。
ライブ感満載です。


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ここは接写に切り替え巨大感を出して切り抜ける事にしました。
あるものをありのままにとらえる事も大事なのです。



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ピントをわざと合わせずに撮ったりもしました。



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次はLです。
この辺りになってくるとさすがにネタに困ってきます。
疲れも出てきます。
おおよそジャケットの撮影に費やせる時間は2日、多くても3日くらいなので
なかなかヘビーな作業のようです。


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スタンダードに撮ります。ここではブラックライトでの照射をやめて
通常のライティングでの撮影に切り替えるようです。



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透明感を出しつつ、今までと違った質感を求めます。


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装置をうまく利用して奥行き感を狙います。
アクリル・オン・アクリル。透明なものの質感をうまく活用するのです。


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また違った感じの雰囲気に仕上がりました。



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引いた画もサイバーチックでかっこ良かったりします。





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最後にSです。


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通常の色味だと面白みがないとのことで
液体自体に赤を混ぜて、色を全面に出そうと言う事になりました。


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いい感じの赤です。透明感もあります。
ただ色の薄さが安っぽさを感じさせます。


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分かりにくいのですが、アクリルとアクリルの間に
赤いパンチングメッシュを挟みました。
液体の表現に力強さがでました。


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このような感じで短い時間で一カット一カット積み重ねていくという
作業を繰り返し、一つの形になったのでした。
短時間でこういった装置の作成、撮影をこなしながら
自らのイメージ通りのものを具現化するATOLSの高いクリエイション力。
表現者としても素晴らしいものを持ち合わせていると思います。




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番外編です。
ATOLS/MIKU 0のもう一つのトレーラーについてです。
ここで話題になっているコンクリートに水文字が浮かび上がる原理ですが
これは、ジャケット撮影と同じ原理です。
ATOLSロゴを貼付けたコンクリートに撥水スプレーを吹き付け
効果が出る頃にロゴシートをはがします。
すると、ガラス面だと多少曇りが表面に浮き出ていましたが
コンクリート面だとまったく残る事がなく表面処理され、
あとは、そのコンクリートに向けてバケツで水を流すだけです。






見事に撥水加工されていない部分にだけ水がたまるという
摩訶不思議な映像となるわけです。



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このように、ATOLS/MIKU 0 は、ただの音楽CDとしてだけではなく
様々な創作表現におけるATOLSの美意識、挑戦が詰まっているのです。

ATOLS/MIKU 0 をお持ちでない方はぜひとも作品を手に取ってもらうことを
おすすめします。
そしてジャケットの中身に何が使われているのか確認してみるのも面白いと思います。

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ATOLS/MIKU 0
ATOLS
2014-05-14